最初で最後のキス〜短編
「相川君…教室戻ろ……」
消えてしまいそうなほど小さい声で呟き、相川君のシャツをぎゅっと掴む。
異変に気づいたのか、「お、おう」と言って素直に下ろしてくれた。
私たちは屋上を後にした。
私のことなんとも思ってないなら…悲しい顔しないでよ。
苦しそうな顔しないでよ。
私、見えちゃったんだよ。
ずっと微笑んでた顔が……切ない表情に変わっていたのが。
期待しちゃいけないのに……
期待しちゃうから……。
あなたはいつでも私の心に入ってくる。
胸が苦しいよ…。
何なの……この気持ち…。