最初で最後のキス〜短編





だけど屋上に着くまで彼の姿は見えなかった。




「どういうこと!?」


私は屋上のドアを思い切り開けた。




彼はいつもの所にいて、いつものように手すりによりかかり、街を見ていた。



私は彼にかけよる。



勢いで来たのはいいが、言葉が出てこない。




先に沈黙を破ったのは彼だった。




「オレの名前は羽生悠斗(ハニュウユウト)。3ヶ月前に事故で死んだらしい」



悠斗君はどこか遠くを見つめている。









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