最初で最後のキス〜短編





でも頭に手を乗せてみても、自分の頭しか触れない。





「幽霊だってなんだって、悠斗君は悠斗君だよ」


私はこれ以上ないほどの笑みを向ける。


その笑みに応えるように悠斗君は笑う。




ドキッ





見つめ合って沈黙…


いつの間にか、私の涙は乾いていた。







「由姫…」



愛おしい声で名前を呼ばれるだけで、私の鼓動が速くなる。








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