最初で最後のキス〜短編


「ねぇ」


苦しそうに言う。



「なに?」


もどかしい

この距離…。




「……由姫に触れたい…」


悠斗君も同じ気持ちだったんだね。


「うん」



「抱きしめたい…」


私もだよ。

唇をかみしめながら言った。


「うん」




「キス、したい…」


「うん」



ああ神様……


「大好きだよ…」


「私も…大好き……」



どうして私たちは出会ってしまったの?



触れることすら許されない。


結ばれることのない、運命。







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