最初で最後のキス〜短編
そんな由姫が、今日はとても暗かった。
普段は止まることなく喋り続けるのに。
「………」
由姫は遠くを見つめ、ぼーっとしている。
オレは隣で、静かにそれを見つめる。
こういう時は無理に話しかけない方がいいよな。
「私なんかが生きてていいのかな…」
ボソッと呟かれた言葉。
………そんなこと言うなよ。
生きたくても生きられなかった奴だっているんだから。
「そ…「熊井…」
オレの声にかぶって後ろから声がした。