最初で最後のキス〜短編
おまけ
放置された遥香たちは…。
「は!?なんなのあいつ…」
毒づく中村遥香。
いらいらを隠せないようだ。
周りの友達はなにも言えずに彼女を見ている。
そこには、少しの恐怖があるようにも見えた。
ガラッ
「おまえら騒がしいんじゃねぇの?」
教室に突然相川慶太が現れ、中村たちを睨んだ。
「あ、相川…君っ」
女子たちの顔が青ざめていく。
中村遥香への恐怖心に相川慶太の恐さが足され、彼女たちの居場所はいっそう小さくなった。
そんな彼女たちをよそに相川は中村に視線を移す。
見下した視線ではなく、その眼差しは真剣そのものだった。