【BL】のら猫と室内犬
「うわッ…!!」
逃げるように起き上がると、男も怠そうに起き上がった。
「うわって…ひでぇな。あぁ、しびれてる」
男は腕をポンポンと叩く。
さすがに逃げるのは失礼か…。
「…すまない。他人と接触するのは苦手なんだ。その…ありがとう」
ペコッと頭を下げると、男は動きを止めジッと僕を見てきた。
「名前は?」
「…綾人」
「見た目も名前も、女みてぇだな」
「なっ―」
僕がムッと眉を寄せると、男はニヤリと笑った。
「!!!」
次の瞬間、僕は再び寝転んでいた。
「な、何を…」
というか、押し倒されていた。