【BL】のら猫と室内犬
「この学園は、こういう上下関係がとても大事なんですよ」
陸はいつも遠回しなフワッとした説明をする。
「つまり金か」
「坊ちゃん…」
陸は苦笑いをした。
「下品ですよ」と注意をされたので「わざとだ」と返すと、陸は少し頭を下げる。
一々礼儀が良すぎる。
「やめろ」と言うと、頭を上げたので話を続けた。
「何故、僕が神木だと分かるんだ。僕は公の場に出た事など一度も無い」
「皆さん目敏いのですよ。それに坊ちゃんは美しい。神木家御長男と知らずとも…」
僕は陸の口にスッと手をやった。