【BL】のら猫と室内犬
さっきまで騒がしかった廊下に、僕一人の足音が響く。
皆静かに教師の話を聞いているようだ。
さて、どこへ行くか。
高等部の校舎へ来たのは初めてで、何がどこにあるか全く分からない。
すると、一つ先の教室から声が聞こえた。
「サクラ!どこに行くんだ!」
怒鳴り声だ。
教室のドアが乱暴に開くと、お堅いこの学園ではかなり珍しい金髪の男子生徒が出て来た。
「腹がいてぇんだよ」
教室にそう吐き捨てると、乱暴にドアを閉め、彼はすぐ側の階段を上がって行った。
完全に仮病だな。保健室で寝るのか。その手もあったか。
僕は金髪に感心しながら、階段に掲げてある「屋上」という看板を見付け、階段を上がる事にした。