【BL】のら猫と室内犬
「…はぁ」
一年の教室は一階。
屋上は五階。
体力に自信の無い僕は息が切れていた。
「…はぁ」
やっと屋上の扉に着き、重い扉を引くと、勢いの良い風が僕を撫でた。
「…はぁ…涼しい…」
うっすらとかいた汗を風が冷やし、とても気持ちが良い。
「あー極楽…」
「何だお前」
「は?…―!?」
男の声が聞こえると、姿を見る前に腕を強く引かれ、後ろから口を塞がれ、僕は相手の腕の中にすっぽりと入っていた。