【BL】のら猫と室内犬


「ん゛ー!ん゛ー!」


僕はもがき、口から手を離そうとしたが、両手を使ってもびくともしない。

165センチの僕をすっぽりと包んでしまうコイツの身長は推定180センチ。

これだけ違えば、腕力の差も格段だろう。


「何しに来た」


頭の上から声がすると、口から手が離れた。


「ぷはっ…」


息が切れていた時に口を塞がれたものだから、僕の頭は酸欠でクラクラしていた。


「? おい、大丈夫か…」


男は何か言っているが、僕の意識はどんどん遠退いた―。


< 8 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop