好き、
一章 私と君
「あかり、彼氏とか作らないのー??」
梓が、頬杖をつきながら私に聞いてきた。
パンを頬張っていた私は、少し笑いながら
梓を見つめる。
「あたしは梓と違って、
恋愛がなきゃ生きられないようなタイプじゃないし」
梓が少しピクリと動いて。
私を少しだけ睨みつける。
きれいな顔が、少しだけ怒っていた。
「別に、そういうわけじゃないし」
「常に彼氏求めてるやつが、何言ってんの」
梓が黙り込む。
そんな彼女を見て、私は笑う。
学校の、昼休みの時間。
教室内は、にぎわっていた。
私たちは二人で、窓際の席、梓の席で
昼食を食べていた。
梓は、ピンク色のお弁当箱から
ピンク色の箸で出し巻き卵をつかんだ。