眼鏡くん
ウィーン‥
開いた自動ドアから入ってきたのは、昨日の黒縁眼鏡くんだった
「あっ!!」
あたしは思わず声を出してしまった
黒縁眼鏡くんはあたしに気がついた
「何?」
冷めた言い方だった
「あ、いえ あのえっと‥」
「?」
眼鏡くんの頭の上には
まるでクエスチョンマークが乗っているようだった
あたしのこと覚えてないんだ
「あ、あの‥その本って
おもしろいんですか??」
あたしは必死に眼鏡くんが持っている本を指差して言った