眼鏡くん
次の日‥あたしは“あの場所”にきていた
“あの場所”とはあたしがよく行く図書館の近くにある小さな公園のことだ
付き合っていたころ、二人でよく来た
あたしはポケットにいれていたリングを指にはめてみた
懐かしいな‥‥
その時‥
「枯林!!」
旬一だ
「久しぶり!‥元気してた?」
「おぅ。枯林も元気そうだな」
「うん」
しばらくの間、沈黙が続いた
あたしはその空気に堪えられなくなって、沈黙を遮った
「あたし、用事あるからっ」
そう言って旬一にリングを押し付けて、走り去ろうとした
「優!!!」
公園を出たぐらいの所で、あたしはその声に振り返った
「お前 そのキツイ性格なおせよなっ」
旬一が笑顔で手を振っている
あたしも言い返した
「旬一こそ、ドSの性格なおせば〜?」
あたしも笑って手を振った
大好きだったよ‥?