帰って来た HERO【完】
これも広い脱衣所で服を着ていると、既に泳ぎ飽きたらしいさっきのノゾムくんが寄って来ていた。
構ってほしそうな空気をビシビシと感じたが、俺は無視をした。
子供となんて、何喋っていいかわかんね。
「・・ウサゴン」
「!!??」
このガキ、何故俺の正体を知っている!?
バレるわけないぞ。
ノゾムくんは俺のバスタオルが置かれた棚を指さしていた。
あ、これかぁ・・・
棚から垂れ下がっているのは、俺の携帯についた小さなウサゴンストラップ。
「ニコタンズ・・好きなの?」
「うん、ウサゴンが好き。お兄ちゃんも好きなの?」
「いや、俺は別に」