帰って来た HERO【完】
濡れた目の優しい笑顔を抱きしめたくて、俺は腕を伸ばした。
「ふがっ・・・!」
「!!?」
ジョイトイがまゆたんの膝で寝ていることを死ぬほど忘れていた。
転げ落ちたジョイトイの頭を本当は「邪魔だ!」と蹴飛ばしたかったが、こいつはそう言えば友達思いのいい奴なのだった・・・。
俺は思いなおし、ちゃんと寝かせてやることにした。
「・・・失礼しますよ」
担ぎあげたジョイトイは軽い。
・・・お前がこの細っこい身体で守ろうとしたものは任せろ。
これからは俺が守ってやる。
俺は決意を新たにした。
ジョイトイを寝かせた隣のベッドの中島田がピクリと動いた。