帰って来た HERO【完】
もういいスか?
お隣に座っても?
「何書いたの?見せて」
ドカリと隣に座ってまゆたんの手帳を覗きこむ振りをしたら、やっぱり激しく嫌がられた。
「えー!それは秘密♪」
いいよ、そんなのわかってる。
だから悪いと思って書いてる時近寄らなかったんだ。
「じゃあ、見ない」
「うん、これはいくらゆきたんにでも見せられないです」
「けど、まだ1行くらい書くスペースある?」
質問、ここまで。
俺の余裕、ここまで。
グイと細い肩を抱き寄せたら、あまりにも簡単にまゆたんは俺の腕の中に入った。