帰って来た HERO【完】
裸足の足元はどこからか溢れた温泉湯であたたかい。
蓋の端の方が少し浮き上がっていて、そこになにか挟まっているようだった。
薄闇の中で目を凝らす。
「・・・・」
青いタオルだ。
嫌な予感と共に瞬間的に考えたのは、遥か昔に習った人工呼吸のやり方。
全く思い出せなかった。
落ち着け、俺。
「ゆきた・・」
「来るな!」
見せらんねー・・・
どれくらい経ってる?パパさんにエレベーターホールで会ってから40分?
一時間・・・?