帰って来た HERO【完】
「聞けよ、えりこりん。知っていると思うが、俺は球界の紳士と呼ばれるウサゴンだぜ?
君たちがいるというのに、淫らなことなどするわけないではないか」
「ウサゴン2:50って呼ばれてるのしか知らねーよ?
でもそう?ほんとなのまゆ・・・」
そっちの渾名を知らねーよ、俺。
「うん!ゆきたんは酔った勢いでそんなことする人じゃないってば!」
「そ、そう・・・」
旨く誤魔化せた。
戻って着替えよー。
動きのない中島田はまだ死んでいるのかな。
納得していない表情のジョイトイをスルーし、男子部屋に戻るために俺は自分の携帯を手に取った。
そしたらその下に隠し持っていた未使用状態の『愛』がヒラリと落ちた。
「あ」
鮮やかな飛び蹴りが俺の脇腹に入り、俺はスローモーションでその場に崩れ落ちた。