Liebe
ある日あの時。
「わぁ…きれいっ!!」


学校の帰り道。

私は綺麗な花をみつけた。

鮮やかな赤色に、心地よい風が靡く。



でも、それは橋の少し下。


頑張ればとれるかな?

川の橋から手をのばして花を取ろうとした、その時だった。

シャラっ…


「え…?」


なにかが、ポケットから落ちた気がした。


「え…もしかしてっ」


ポケットに手をいれて、落ちたものを確認する。


「鍵、落ちちゃった…。んー、何処に落ちたかな…」



辺りを見回しても見つからないので、橋を降りようとしたそのとき、


手が滑り橋を掴んでいた手が離れ…


「あっ…や、お、落ちっ、落ちるっ…!?」


「危ないっ!!」

どこからか低く、そしてきれいな声が聞こえ、体が宙に浮いた。


「あ、れ…?」


…のに、落ちて、ない。
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