世界を敵にまわしても


「あぁ。何か色々言われてたな、そういえば」

「そういうとこに憧れてた」


周りに何を言われても、ビクともしない。芯の強い人だなと思って。何でそんな風に居れるんだろうって。


きっと他の女子とは違う、嫉妬を抱いていた。


「……みんなで仲良くとか、思ってるわけじゃないんだけど」

「うん」

「性格とか価値観とか、合わない人なんて当たり前に居るじゃん」

「居るね。ウチは大半そうだよ。……美月はそれが疲れんでしょ」


うん、多分。


人づきあいって疲れると思うし、めんどくさいとも思う。特に菊池さんとか、ミキ達とか。誰かを否定する話題には正直滅入る。


あたしが団体行動を苦手だと感じるのは、それだ。


いつでも、どこにでも、そういう類の話は転がってる。


それこそ、この数日間であたしと菊池さんたちの悪口が入れ替わったみたいに。


「仲良く出来ないなら、無理にする必要は無いと思ったんだ。椿は、まさにそれでしょ?」

「……あぁ、言いたいこと分かった」


え、分かるの?


「言いたい事ってか、美月がめんどいとか疲れるじゃなくて、納得いかねーって顔してる理由?」


そんな思いっきり顔に出してるのか、あたしは。
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