世界を敵にまわしても
「晴だって見てぇだろ、美月のビキニ姿」
「は!?」
ニヤニヤと口を緩ませる椿の笑みに晴を見ると、晴もあたしを見ていた。
え……この場合あたしはどういう反応すればいいわけ。
「や……そんな別に……いや見たくないって言ったら嘘だけどって俺、変態みてーじゃん!」
頬を染めて1人ギャーッと頭を抱えて叫ぶ晴に、あたしまで恥ずかしくなる。
「いや……そもそもビキニ着るか分かんないし、似合うかも分かんないし」
「似合うに決まってるって!」
ハッキリ言い切った晴に、あたしの意思とは関係なしに顔が熱くなる。
晴も言ってから恥ずかしくなったのか、顔を赤くした。
「あ、ありがとう御座います……」
「や、こちらこそ何かスンマセン」
お互い頭を下げる変な光景に、「アホっぽい」と突っ込む椿。
「んじゃ、行くってことで。決定な」
そう椿がしめて、まぁ1度くらい海もいいかなと思う。
どうせ勉強以外することもないしな……。
「じゃ、決まったら俺2人にメールすんね!」
まだ少し頬が上気したまま、晴は軽く手を上げてクラスメイトのとこへ戻っていた。