世界を敵にまわしても


というか実際、晴と椿ってどうなんだろう。お互い嫌っては無いし、むしろ詳しそう。


もし付き合っても違和感どころかお似合だと思う。


「あ、そうだ! 美月今週の金曜暇?」


椿のことを聞く前に質問されてしまって、あたしは頭の中でスケジュールを確認する。


「特に予定はないよ」

「祭り行かない!?」

「……祭り?」


首を捻ると、晴は眩しいくらいの笑顔を向けてきた。


「この近くでさー、結構デカイ夏祭りあんの! 知らない?」

「知らない」

「マジで? 花火大会ってくらいだから、結構有名だけど」


……知らないな。そんなのあったっけ?


「そもそもあたし、祭りとかちゃんと行ったことないかも」

「じゃあ尚更行くべきじゃん! 椿も誘ってさー。ヨッシー達とか、数人で回ろうって話してたんだよねっ」


ニコニコと笑顔を絶やさない晴は、何であたしのことまで誘ってくれるんだろう。


今更な疑問の答えなんて、“晴だから”で十分なんだろうけど。


あたしはまだ、椿と晴以外の人とあんまり関わろうとしてないからな……。


他の人と仲良くするのが嫌だってわけじゃないけど、団体行動が苦手なのは変わらない。
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