世界を敵にまわしても
冷めてると言われるのは、今に始まったことじゃない。
あたしは群れるのが苦手で、例えば用もないのに友達のトイレに付いていくとか、放課後街へ遊びに行くとか。
とにかく集団行動が苦手。
だけどそれでは、学校という箱庭からはみ出るということだ。
学生の本分は勉強だけなら良かったと何回も思ったけど、そうはいかない。
学校は集団生活で、人とコミュニケーションをとる事が必要不可欠。
それが出来なければクラスで浮いた存在だとか、一匹狼だとか言われるのは目に見えてる。
そんな事は言われたくないし、ましてやイジメられるなんてごめんだ。
ミキ達のもとへ戻ると、気付いたユイが「行こー」と席を立った。
「先生もう来てんのかな?」
4人で廊下に出るとちょうど予鈴が鳴り、サトミが話し出す。
「来てないと思う」
そう返すと、ミキとユイが笑った。
「いっつも本鈴鳴った後に来るよね~」
「確かに!」
他愛ない話をして、それこそ自然に笑う。
……あたしは1人が気楽だけど、独りになりたいわけじゃない。
だからこうして、普通の女子高生として過ごしている。