世界を敵にまわしても
「やっと告ったのかアイツ」
晴とギクシャクしながらも何とか学校に着いて、すぐさま登校していた椿を連れ出した。
1階の外ロビーにある自販機の前。そのすぐ近くにあるベンチまで来たというのに、あたしは椿の反応に目を見開く。
「やっとって何!?」
「はぁん? 晴が美月のこと好きなのなんか、み―――んな知ってるし」
やけに伸ばされた「みんな」という言葉にあたしは赤くなるどころか青くなった。
「みんなって誰!? 何で知ってんの!?」
あたしは今日、ついさっきまで知らなかったのに……!
「マジで気付いてなかったわけ? ヨッシーとか、普通に知ってるけど」
ヨッシー!? ヨッシー……え? 特に何もないんだけど……。
あたしが疑問符ばかり浮かべると椿は呆れたように溜め息をついて、話し始める。
「美月がウチと話すようになって、菊池とかにイビられてた時期。ウチその日休んでたけど、ヨッシーに聞いた。いきなり晴に連れてかれて、そこにヨッシーと軽音部の2人いたべ?」
あたしは少し考えて、すぐに思い出す。
菊池さん達に絡まれてる時いきなり晴に連れていかれて、1組の前まで連れていかれたんだ。
そこで、初めてヨッシー達に会った。