Kissシリーズ・「義弟とのキス」
けどもう…終わりにしたほうが良いのかもしれない。

「姉貴は…平気なの? オレと離れても」

「離れていても、あなたはわたしの大切な義弟よ。それに変わりは一生無いわ」

自分がどんなに残酷なことを口にしているか、自覚はあった。

けれど義弟の強い思いには、同じく強い思いで返さなければ負けてしまう。

「…姉貴は、さ。本当は起きていたんだろう?」

ドキッと心臓が嫌な音を立てた。

「三年前のあの夏の日、オレがキスしたの、知っているんだろう?」

…触れてほしくないこと、逃げ回っていた現実に、直面する時がきてしまったか。

「ええ…、起きてたわよ」

「ならっ! 分かってるはずだ! オレが姉貴のことを、本当に好きなことを!」

「大声を出さないで。確かにキスされてたのは知ってた。でもその後のあなたの態度でも、充分に分かることよ」

「分かっているなら…受け入れてよ」
< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop