Kissシリーズ・「義弟とのキス」
「はじめて会った時から…ずっと。一目惚れだったんだ」

そんな昔から…。

「最初は『姉』だと思い込もうとした。だけど他の男と一緒にいるところとか、見たらもうっ…ムリだった」

他の男って…ああ、多分、学校帰りとかで一緒に歩いていた男の子のことだろうな。

義弟の思いに気付いた時から、わたしは恋愛に臆病になってしまった。

だから自分から恋人を作ることも、告白されても受け入れることもしなかった。

義弟は本当に早くに、恋心に目覚めていたんだな。

「オレじゃっ…ダメなのかよ?」

ダメじゃないからこそ、こんなに悩んで苦しんでいる。…わたしも。

「父さんや義母さんに、何て言うのよ?」

「はっきり言うよ! オレが姉貴のこと、好きだって!」

「何も恋人じゃなくても、ずっと一緒にいられるのよ? 姉弟でも」

「それじゃあ、イヤなんだよ!」
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