Kissシリーズ・「義弟とのキス」
「ワガママね」

「オレ、まだガキだもん」

…こういうところで『子供』を持ち出してくる部分、やっぱり子供だ。

多分、いや、絶対に何を言っても聞き入れちゃくれないだろう。

わたしがムリに恋人を作っても、きっと壊される。関係を。

そして逃げても…追ってきそうだ。義弟なら。

なら、もう諦めるしかないだろう。

わたしは立ち上がり、義弟と真っ直ぐ向き合った。

相変わらず泣いているけれど、強い意思を込めてわたしを見つめている。

「…分かったわ」

「へ?」

わたしは手を伸ばし、義弟の頭と腕を掴んで引き寄せた。

そしてそのまま…

「んんっ!?」

キスをした。もちろん、唇に。
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