Kissシリーズ・「義弟とのキス」
それに気付いたのは、わたしが中学二年生の夏。

夏休みになり、わたしは自分の部屋のベッドで昼寝をしていた。

窓を開ければ涼しい風がふいてきて、風鈴が涼しげな音色を出していた。

午前中は部活があったので、疲れて眠っていたのだ。

そこへ、義弟が部屋に入ってきた。

「姉貴? ちょっとマンガ借りたいんだけど…」

二回ノックした後、義弟は部屋に入ってきた。

わたしは気付いていたけれど、疲れから起きる気力がなかった。

だけど義弟が近付いてくる気配を感じていた。

「…何だ。寝てんのか」

ぎしっとベッドが軋む。

どうやらベッドに腰掛けたようだ。

「無防備な格好で寝やがって…。襲われてもしらねーぞ?」

誰にだよ、と心の中でつっこむだけの余裕があった。

この時までは。
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