Kissシリーズ・「義弟とのキス」
アレから二年。

義弟もいつも通りに接してきた。

だけどだんだん、その、執着が強くなってきた気がする。

ちょっとでも帰りが遅くなると、怒られるようになった。

それに家の中で電話をしてて、長くなるとまた怒られるし…。

周囲の人達からは、「シスコンだね」と苦笑される。

もうそういう次元を飛び越えていることは、わたし1人しか知らない事実。

誰にも打ち明けられない苦しさはあったけれど、義弟はあれから何もしてはこなかったことに、安堵していた。

けれど義弟の担任から連絡を受けたことから、その状況は一変した。

「えっ? 県外の高校…ですか?」

家の方の電話にかかってきた。

まだ義弟は学校から帰って来ない。

たまたまわたしが早く帰れたので、受けられた電話だった。
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