Kissシリーズ・「義弟とのキス」
でも多分、担任はそれを見通して連絡をしてきたんだろう。

義弟が受ければ、すぐに切られる内容だったから…。

義弟は優秀な生徒だ。

だから県外の寮のある有名な高校から、声がかかっているらしい。

けれど義弟はわたしを1人にさせられないと言って、断ったそうだ。

そんな話し、全然聞いていなかった…。

多分、連絡が届く前に、義弟が潰していたんだろうな。

担任はそれでも勿体無いと言って、義姉であるわたしに連絡をしてきたのだ。

高校側も、かなり良い条件を出しているらしい。

特待生として、授業料や寮費は免除。

制服代や教科書などの学校用品も、向こうで持ってくれるらしい。

それほどまで、義弟を欲しているのだ。

「…分かりました。義弟と話をしてみます」

そう言うと、担任は安心して電話を切った。
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