Kissシリーズ・「義弟とのキス」
「何? いきなり」

不思議な顔をしながらも、わたしの向かいに座った。

こうやって改めて見ると、義姉の欲目を抜いてもキレイなコだと思う。

老若男女問わず、モテるらしいし。

頭も良いし、運動神経だって良い。

家事が不得意で、勉強も運動神経も普通のわたしなんか、何で好きになったんだろう?

…いや、今はそんなことを考えている場合じゃなかった。

「県外の高校への進学を勧められているんでしょう?」

「なっんで、そのことを…」

「連絡をもらったの。担任の先生から。そして義母さんにも話を聞いた。良い話だと思うけど…やっぱりイヤなの?」

「イヤだね。オレは姉貴と同じ高校に通うんだ」

そう思いつめた顔で言われると、やっぱり…と思う。

「ただでさえ一年しか同じ学校に通えないんだ。勿体無いだろう? 時間が」
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