1ページの沈黙
今の男でよくわかった。
あたしは、例え体だけの関係だったとしても、もうだめだ。
心が、体が、波多野以外なんて、いらない。
なにも感じない。
あの唇以外、欲しくないんだ。
触れられるだけで、違いを感じた。
気持ち悪いと、思ってしまった。
受け入れられない。
全身が拒否していた。
波多野。
どうにかしてよ。
こんなおかしな体にまでして。
人に生殺しみたいな真似して。
わかっているんでしょう。
すべて。
あたしがあんたを呼ぶときも、
あたしがあんたにキスする間も、
その眼鏡の奥で、あざ笑っている?
それでもいい。
なんだっていい。
欲しいの。
あたしは、アンタだけなんだよ。