1ページの沈黙
あたしと波多野の関係は、平行線なまま。
それでもあたしは、波多野のくれるぬるま湯に浸り続けるのだ。
どっちつかずのなか。
アイツが、少しでもその気になってくれれば。
その心に、もっと触れさせてくれれば。
あたしを受け入れてくれたら、どんなに。
どんなに、あたしは満たされるのだろうか。
この燃え上がるような熱情も、キスされて火照る身体も。
アンタにすべてぶちまけたいのに。
理央のことなんて、忘れて。
そんなこと口が裂けても言えないけれど。
それでも、あたしのこの馬鹿げた想いを、伝えることはできる。
この熱を、分けることだってできる。
馬鹿みたいに、波多野を愛することが、あたしにはできる。
たとえ、与えられることがないとしても。