運命をつなぐ鳥∞
2010年―プロローグ―
――…
ある広い公園では今日も
元気な子供達が
無邪気な笑顔で
走り回っている。
ある少女はこの公園に初めて来たようで、
探検するように公園内に茂る木々を通り抜け、
広い中央広場に出た。
そして何かを見つけたように言った。
「ねぇママぁ」
その後ろを、心配しながらついてきた母親は答える。
「突然どうしたの?茜」
「あのベンチにずっととまってる鳥、なぁに?」
少女は
中央広場のほぼ真ん中にあるベンチにいる、
直感的に気になったそれを指さした。
母親は一瞬、
心の中に片付いたはずの昔の記憶が
少しだけ騒ついた気がした。
同時に母親は思った。
子供の直感力は、
時に大人をも驚くほどの
不思議な強さがあるかもしれないと。