運命をつなぐ鳥∞
少女はその鳥に向かって
かけ寄った。
「茜、それが気になるの?」
「うん…なんでかなぁ
ねぇこの鳥さん
茜が近づいても逃げないよ?」
「うん…不思議な鳥だね」
「あ、ママ、
鳥さんの輪っかになんか書いてあるよ?」
少女はどうしてもその鳥が気になった。
引き寄せられるように、
どこかわくわくした気持ちで、
それを読み上げた―。
・・・・・・・・・・
「『うんめいをつなぐとり』」
漢字をまだあまりよく知らない少女がぎこちなく読んだのは、
『運命を繋ぐ鳥』の文字に、
丁寧にもふってあったふりがなだった。
「ねぇ、『うんめいをつなぐとり』ってなぁに?」
母親は何かを思い出したようで、懐かしそうに微笑んだ。
「うーんとね、ママは
『人と人の運命をつなぎあわす鳥』って意味だと思うな。
茜にはまだ難しいかな?」
「??
うーん…
じゃぁ、『うんめい』ってなぁに?」