[短]ハロウィンの夜に


ダンスでは二人は密着している。
私の心臓は破裂寸前ってくらいドキドキしていた。


「――――」


ボッソッと拓兎が何かを言ったけど、私はよく聞き取れなかった。

私たちのダンスが終わり、生徒たちからは拍手。

私たちは一礼した。


「今宵は皆も楽しみにしていたハロウィンパーティー。存分に楽しんで頂きたい。
オープニングセレモニーは終わりだ。
では、始めよう!皆のハロウィンパーティーを!!」


魔界の王子は姫とくらべて、かなり台詞が多いから大変だ。

皆がそれぞれ踊りだす。私も他の人と踊るために壇上から降りてパートナーを探した。


「はぁ~…」


もう…心臓がはち切れそうだよ…
………せっかくこんなジンクスがあっても、私は臆病だから告白なんて出来ない。

でも…今回はいい思い出だ。


「もう疲れた…」


正直、もう踊れる気がしない。さっきのオープニングセレモニーで私の全神経集中させて、もう体力が持たない。




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