お星様へ


それから1ヶ月


塾に行くことが
何よりもたのしくて

彼を見かけると
自然とその後を追うようになった


八家クンのおかげで
小岩井クンとも話ができるし

メールもするようになった


塾帰りには
ファミレスで勉強したり

3人で過ごす時間が増えて
それが嬉しかった


小岩井クンはそんなに勉強が出来る方じゃなかったけど
数学はワタシより得意で
時々教えてもらったりした


逆にワタシが小岩井クンに
教えることもしばしばあった



そんな毎日がたのしくて

ワタシはただ
雲に浮かぶ気持ちだった

彼が横にいることを
単純に喜んでいた


その先なんて望んだことだってない



この前,八家クンは
ワタシと小岩井クンを見て
カップルみたいだと
はやしたてた


スッゴく恥ずかしかった

けど,正直
かなりうれしくて
帰ったあと
その日の小テストにハートを書いた


何となく,カップルに見られたことを記念として
残しておきたかったから



でも,仲良くなるにつれて
ワタシは気づく


彼は他の誰かを見ていると
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