お星様へ
トイレから
すすり泣く声が響いてくる
「失ってはじめて,
彼のこと...まぢで,好きなんだって...気づいたの...
でも,今じゃそんなの...関係...ないよね...
終わってからじゃ...遅いんだね...」
グサッと
胸に刺さるものがあった
それは鋭くて
ワタシの胸の中心を
刺していた
彼女の声が
こんなにもワタシに届くなんて
考えてもみなかった
終わってからじゃ
もう
遅いんだ
そんな中
誰かが先生を呼んだみたいで
国語の先生がやってきた
「みんな,もう授業始まるから
教室行きなさい。
先生があとはやるから」
みんなはとぼとぼと教室に戻って
席に着いた
ワタシの頭の中に
彼女の言葉が残っている
「終わってからじゃ
遅いんだね」