CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



《長寿》チャンス



あっという間の1ヶ月だった。


初日からハラボジ(じいちゃん)に説教されて……


ジソンも妹の孝珠(ヒョジュ)にも笑われて…


翌日からは


スタジオミュージシャンがオフィスに遣ってきて


-フィ●ン-とかって言う歌手が、韓流時代史劇のドラマの、テーマソングや挿入歌をまとめたアルバムを作るとかで、ズッ~と親父が付きっきりだし…



ジソンヒョンニムは、久しぶりに彼女とアイススケートデートとか言って


暇だったぜ。


仕方がないから、じいちゃんがやってる占いの館を尋ねて明洞(ミョンドン)に行ったら、人の多い事!
渋谷みたいだ。


占いの館も、お客さんがいっぱい並んでいて、けっこう流行ってるんだよなぁー。


俺が、順番待ちしているお客さんに


「ここの占い師って、俺のじいちゃんなんだけど、ここの占いって当たるの?」


なんて聞いてみたんだけど、


『ここの占い師の先生は最高ですよ!

あの方は、未来が見えるんですから。

以前、たまたま友人の勧めで軽い気持ちで見て貰ったんだけど、事故に会うから来週の出張は車で行きなさい。

って言われたんですよ。

来週の出張なんて、一言も言って無いのに、ちゃんとわかってたし…

本当だったら釜山までセマウル号に乗って行く予定だったけど、言われた通り自家用車で行ったんだよ。

そしたら、その日の私が乗る予定だったセマウル号が脱線事故を起こしてねぇ、何十人も大怪我したり、亡くなった人もいたんだよね。

それ以来、まぁ3ヶ月に1回は、ここに来て見て貰ってるんだよ。
見料が1回30万ウォンってちょっと高いけど、命に比べりゃ安いもんだよ!』



30万ウォン~~!


なんじゃ!?


ボッタクリジジイ!


適当な事言って、偶々当たっただけだろう。


まさか、じいちゃんがセマウル号を…?

さすがに、それは無いか。


カモだね。 カモ!


インチキじいちゃん、昔っから適当な事ばっかり言ってたもんなぁ…



…………





 
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