CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
『覚えられるの?
大変じゃ無いの?』
「大丈夫だよ~ん!
1日単語を30コずつ覚えていけば、10日で300コ、1ヶ月だと900コの単語を覚えられるじゃん。
900コの単語を覚えていたら、そこそこ会話出来るでしょ!?」
『そうねぇ……ある程度単語をくっ付けただけでも意味は通じるかも……
じゃあ、私が毎日教えてあげるね!
1日30コの単語をメールで送ってあげる。
メアドを教えて。』
「じゃあ、赤外線で送るよ~ん!」
『OK! 保存したよ。
ところで、ジョージ君のその喋り方は、どうしてそんな喋り方なの!?』
「あぁ、この喋り方ね!
おいらが小さい頃、いつも両親が忙しくて、一人でTV観ていたんだ。
その時大好きなお笑い番組に出ていた芸人さんのファンになって、いつも真似してたら映っちゃったんだよ~ん!」
『ジョージ君は彼女さんとか居るの!?』
「居ないよ~ん!
ナナちゃんは居るのかなぁ!?」
『私も居ないって言うか、今まで男の子と付き合った事が無いんです。』
「おいら、ナナちゃんが‥‥‥‥好きだ~!」
おいら、突然何言い出してるんだよ。
勢いで言っちゃったよ~ん!
どうしよう……
気さくに話しかけてくれるから、勘違いして思わず言ってしまったし……
これはマズイっしょ!
どうするおいら!?
『良いよ。
私も付き合いたい。
ジョージ君、カッコイイし、背高いし、優しいし、私からお願いします。』
「やった~!
‥‥‥‥って…100%喜べないんだよねぇ。
お兄ちゃん怖いからにぁ~!」
『お兄ちゃん知ってるの?』
「うん。一度会った事があるよ~ん!
《俺の大事な妹に手を出す奴は、俺がぶっ潰す!》
って言ってた。」
『もうお兄ちゃんったら…ほっとけば良いよ。
妹離れの出来ないお兄ちゃんなんか!
今までだって、私に告白してきた男の子は全部お兄ちゃんが邪魔しちゃったんだから。
だから、私が今まで彼氏が出来なかったんだから。』
「おいら、お兄ちゃんに殺されるかも!?
メチャクチャ恐い人だもん。」
『ダイジョブだって。
今度邪魔したら二度と口きいてやらないんだもんね。
前にも一度、お兄ちゃんと口きいてあげなかった事があったんだけど、かなりショックうけて謝ってきたもん!』