CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
父さんとの約束は守る。
だから、僕は日本で死ぬ気で頑張って売れてみせる。
~♪~♪~♪~♪~
翌年正月も明け、僕は今、契約書を持って新星MUSICの事務所にやって来た。
高社長と秘書と僕の3人は、社長室で正式な契約を交わしている。
僕はギャランティ-方式の給料と言う事で話もまとまった。
要するに、TVに出たり、コンサートをしたり、CDの歌唱印税が僕の所得になるんだ。
何もしなければ、その月は所得0円という事なんだ。
その代わり、忙しければ忙しいほど、所得が上がり、良い暮らしも出来ると言う事である。
高社長が言うには、有名に成れば、グッズ販売の純利益の40%もくれるそうだ。
絶対に有名になって、金持ちになりたいし、それよりも僕の歌を沢山の人に聴いて貰いたい。
出来ることなら、パネルの中で熱唱しているハヌルにも会いたいし、いつか付き合えたら最高なんだけど‥‥‥‥
未だ見ぬ彼女への想いが、ドンドン膨らんでいく。
それから数日後、ボイストレーニングの為に、また事務所にやって来た。
そこには、パネルの中でギターを弾きながら歌ってた、ハヌルの兄さんのチャンスさんが日本から来ていた。
「君が新しく入った歌手の朴氏(パク君)かい!?」
『チョウム ペッケ スムニダ。
(はじめまして)。
チョヌン パクユ ラゴ ハムニダ。
(僕はパク・ユと申します。)』
「そっかぁ。俺はチャンス。
コ・チャンス。
ここのオーナーの息子だから。
今日はボイトレってアボジ(親父)から聞いてたけど、今からやるのかい!?」
『ハイ。』
「暇だから付き合ってあげるよ!」
『チョンマル レヨ!?
(本当ですか!?)
チャル プッタ カムニダ、チャンスヒョンニム。
(宜しくお願いしますチャンス兄さん。)』
「ヒョンニム(兄さん)なんて堅苦しいからヒョン(アニキ)で良いよ。」
『アラゲッスムニダ、ヒョン(分かりました、アニキ。)』
「じゃあ、スタジオに行こうか。3階にスタジオが在るんだ。
ピアノ置いてある部屋に案内するよ。」
『ところで、ヒョン。パネルの写真見ました。
カッコイイですね!』
「エェ~ッ!
あれ見たんだ!?
俺はビックリしたよ。
アボジ(親父)に直ぐ外してって言ったのに。」