CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=



  ♪桧山♪



社長室を後にした俺は、新しいスケジュールを持ってKYUが待つ1階の玄関ロビーへと向かった。


エレベーターを、降りてみると、ロビーではKYUが、さっきの小柳アナと話をしている。


二人とも笑顔で、楽しそうに話をしているのを見て、無性にムカついてきた。


俺は、


「KYU、帰るぞ。」


と、素っ気なく言って、KYUを促し会社を出ていった。


『桧山さん、何か合ったのですか?』


「別にないけど。」


『何か、機嫌が悪いみたいだから、僕が何かミスしたのかと思って……。』


「そんな事は無いから。

それより、今日はこれからオフだけど、どこか行きたいところでもあるかい?」


『久しぶりにゆっくり出来る~!

じゃあ、社長の実家に行きたいです。

チャンスのママさんの料理が食べたいです。』


「そっかぁ。

それじゃあ、電話して聞いてみるから。」


『お願いします。』


「ところで、さっきのアナウンサーと、何を話してたの。」


『音楽です。

彼女は、とってもロックが好きみたいです。

レッチリのマニアックな話を、ずっとしてました。』


「そっかぁ。かわったアナウンサーだよな!」


『ですよね。』


そっかぁ。


な~んだ。


ロックの話かぁ。


って、俺いったい何考えてるんだ!



~♪~♪~♪~♪~


  ♪杏奈♪



な~によ!あの態度。


人が気持ちよく、レッチリの話をしていたのに、いきなり挨拶も無しに
『帰るぞ。』
とか言って。


転びそうになった時に、助けてくれたから、良い人だと思っていたけど、なんか嫌な感じ……。



~♪~♪~♪~♪~


  ♪KYU♪


久しぶりにハヌルちゃんに会えるぞ~!


僕は今、メチャクチャテンションが上がっている。


だって、もう2週間も会って無いんだもんなぁ。


それにしても、桧山マネージャー、何か今日は機嫌が良くなったり悪くなったり、どうしたんだろうか?


疲れてるのかな!?


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