CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
「私は、今から来週放送の、芸人だらけの物まね歌合戦の収録に行かなきゃいけないから。
多分帰宅は、明日の朝5時くらいだろうなぁ……。」
先輩、ファイト!!!
急に暇になった私は、久しぶりにギターを弾こうと、更衣室に置いてある私のフェンダーのギターを持って、スタジオに向かった。
階段で、2階のアナウンス部から、3階へ上がって行った。
3階には、
ラジオ放送の出来るスタジオ
ケーブル放送の出来るスタジオ
レコーディングの出来るスタジオ
ボイストレーニングの出来るスタジオ
アーティスト達が練習したりするスタジオ
などなど、沢山の部屋がある。
練習スタジオのひとつを開けて、中に入った。
久し振りのギターは、ヤバい。
ネックがわずかに反っていた。
チューニングを済ませ、大好きなボン・ジョビやレッチリ、エアロスミスの曲を片っ端から弾いていった。
1時間ほど弾いたところで、喉が乾いたのでこのフロアの奥に在る休憩室に入って行った。
そこには、ミュージック フェスティバルで、KYUのバックバンドをしていたXYZのメンバーが勢揃いしていた。
「皆、元気!?
練習してたの!?」
『ハイ。ついさっきまでやってたんです。
杏奈さん、今度、NS9スタジオの地下に在る、ライブハウスCHANCEでイベントライブが有るって聞いてますか!?』
「初耳だわ!
君たち出るの?」
『もちろん出ます。
でも、KYUがメジャーデビューしちゃったから、ボーカルはウチの社員の天道君がやる事になったんだ。』
「天道君って、天道新君!?」
『はい、そうです。
でも、本堂さんが、こきつかっているから、なかなか一緒に練習する時間がなくて、ちょっとヤバいかも。』
「そうなんだ。
でもね、頑張って良いライブにしてね。
当日は、必ず私も行くからね。」
『そうですか!
是非来てください。』
良いこと聞いたわ。
8月のイベントライブ、司会は私が頂きます。
早速、社長さんところに行って、拝み倒してでも司会の座をGETしなきゃ。
最近、そういったイベントライブの司会なんてやって無いからなぁ。
ガンガンに楽しめそう。
社長さん、居るかなぁ?
もう誰か司会する人決まってるのかなぁ。
決まってなきゃ良いんだけど。