CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
2. Music Festival
KYUの2枚目のシングル
《約束》
は、10月1日に発売され、先行予約で20万枚と言う驚くべき数字を出していた。
当日は、TレコードやY楽器、Sブックなどの大手ショップは勿論の事、日本全国のレコード店に平積みされ、1日の内に売り切れ続出であった。
オリコンチャートで、堂々の1位ゲットだった。
SEIJIさんから、おめでとうの電話も入り、久し振りにMUSIC HOUSEに生出演した。
そこでKYUへのサプライズが……。
「KYU君、まずはオリコンチャート1位おめでとう。」
『ありがとうございます。』
「1位ゲットのごほうびをあげよう。
以前に約束したの覚えているかい!?
曲をプレゼントするって言った。」
『ハイ。覚えています。』
「はい、これ!」
と言って、SEIJIさんは楽譜とCD-ROMをくれた。
『ホントに僕が貰って良いんですか?』
「勿論だとも。
俺が5年ぶりに書いたクリスマスソングだよ。」
『ホントにありがとうございます。』
MUSIC HOUSEで《約束》を熱唱して、SEIJIさんにもう一度お礼を言って、生放送は終了した。
桧山さんと一緒に新星MUSIC支社に戻り、SEIJIさんから戴いた曲を社長に渡した。
クリスマスソングだから、すぐに発売しなければ来年に持ち越しになって仕舞うので、XYZのメンバーが招集された。
『急きょ集まって貰ったのは、SEIJIからKYUにクリスマスソングの楽曲提供があったからだ。
前回、2枚目のシングルの約束は、カップリングが無く、インステゥルメンタルを入れての発売だったから、今回はSEIJIの曲を頭に入れて、カップリングに約束を入れてみようかと思うんだが。』
「社長、それよりもカップリングにも、クリスマスソングを入れて、ジャケットもクリスマスをイメージした、オシャレな感じにしたほうが売れるんじゃないですか!?」
『しかし、KYUにはクリスマスソングが無いからなぁ。』
「この間、KYUと俺とで作ったクリスマスソングがあるんだけど、聴いてくれますか!?」
『お前達二人で作ったのか!』
「あぁ、KYUがハングル語で書いた詞を、俺が日本語に訳して、字数を調整して俺が曲をつけたんだ。」
『よし、今から社内スタジオに行くぞ。』