CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=

2. Music Festival

 


KYUの2枚目のシングル
《約束》
は、10月1日に発売され、先行予約で20万枚と言う驚くべき数字を出していた。


当日は、TレコードやY楽器、Sブックなどの大手ショップは勿論の事、日本全国のレコード店に平積みされ、1日の内に売り切れ続出であった。


オリコンチャートで、堂々の1位ゲットだった。


SEIJIさんから、おめでとうの電話も入り、久し振りにMUSIC HOUSEに生出演した。


そこでKYUへのサプライズが……。


「KYU君、まずはオリコンチャート1位おめでとう。」


『ありがとうございます。』


「1位ゲットのごほうびをあげよう。

以前に約束したの覚えているかい!?

曲をプレゼントするって言った。」


『ハイ。覚えています。』


「はい、これ!」


と言って、SEIJIさんは楽譜とCD-ROMをくれた。


『ホントに僕が貰って良いんですか?』


「勿論だとも。

俺が5年ぶりに書いたクリスマスソングだよ。」


『ホントにありがとうございます。』


MUSIC HOUSEで《約束》を熱唱して、SEIJIさんにもう一度お礼を言って、生放送は終了した。



桧山さんと一緒に新星MUSIC支社に戻り、SEIJIさんから戴いた曲を社長に渡した。


クリスマスソングだから、すぐに発売しなければ来年に持ち越しになって仕舞うので、XYZのメンバーが招集された。


『急きょ集まって貰ったのは、SEIJIからKYUにクリスマスソングの楽曲提供があったからだ。

前回、2枚目のシングルの約束は、カップリングが無く、インステゥルメンタルを入れての発売だったから、今回はSEIJIの曲を頭に入れて、カップリングに約束を入れてみようかと思うんだが。』


「社長、それよりもカップリングにも、クリスマスソングを入れて、ジャケットもクリスマスをイメージした、オシャレな感じにしたほうが売れるんじゃないですか!?」


『しかし、KYUにはクリスマスソングが無いからなぁ。』


「この間、KYUと俺とで作ったクリスマスソングがあるんだけど、聴いてくれますか!?」


『お前達二人で作ったのか!』


「あぁ、KYUがハングル語で書いた詞を、俺が日本語に訳して、字数を調整して俺が曲をつけたんだ。」


『よし、今から社内スタジオに行くぞ。』
 
< 142 / 300 >

この作品をシェア

pagetop