CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=


オモニ(お袋)の実家の焼肉屋‘仁寺洞(インサドン)’に到着して、予約してあった2階の個室に通された。


俺達10人と、アボジ(親父)、本堂さん、シン(天道新)、李支社長、西条店長、白川GMの計16人でテーブルを囲んだ。


テーブル上には、既に沢山の肉や野菜、キムチや飲み物がセットされていた。


新星MUSIC社長で、俺のアボジ(親父)が乾杯の音頭を取って、打ち上げが始まった。


しばらくして、桧山マネージャーが遅れてやって来た。


『社長、遅くなりました。

先ほど、会場の方の後片付けが終わりました。

KYUのCDとDVDは完売しましたが、写真集が20冊以上売れ残ったので、支社の総務に置いてきました。

そして、広報からこれを預かって来ました。

先週までの、3rd.シングルのオリコンチャートです。』


「お疲れ。
ご苦労さま!

まぁ、座って焼肉食べなさい。

昼から何も食って無いんだろう!?」


『はい、いただきます。』


「お~い!

皆、注目!

KYUとXYZのクリスマスソング、先週までのオリコンチャートで、なんと2位に浮上して来たぞ。

そして、シングルの売り上げ枚数はナント、27万枚を越えたぞ。

快挙だよ!快挙!

皆、良く頑張った。

この調子で、年越しライブも頑張ってくれ!」


『エッ!?

年越しライブ???

そんなの聞いて無いぜ、アボジ(親父)。』


「あれ?

言って無かったっけ?

悪い悪い。忘れてたよ。」


『何で、そんな大事な事を忘れるかなぁ!

いつもギリギリで遣らされる俺達の身にもなってくれよ!』


「まぁ、今日と同じようにやれば良いから、心配ない、心配ない。

場所は、武道館と横浜アリーナと横浜パシフィコやNHKホールなど、多元生中継でやる。

年またぎカウントダウンをやるから。


時間帯は紅白終了1時間後にスタートして、深夜の元旦3時まで行なわれる。

お前達は、武道館を用意してある。

武道館には10組のアーティスト達が集まって来るから。

出番は1番手だから。

持ち時間は20分くらいだから、4曲歌えるから、ノリのいいのを頼むぞ。」


『ムチャクチャすぎる。

何で1週間前に知らされないといけないんだよ……。

まぁ、とにかく頑張る。』


そして、俺達は腹一杯焼肉を堪能した。
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