CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=
 



そうこうしていたら、マンションに到着した。


部屋に入って、エアコンを入れ、床暖房もスイッチを入れた。

10分もしたら、部屋も暖まり、俺達は楽な恰好に着替えた。


ローソファーに座って、コーヒーを飲みながら、ソナの弾くジョン・レノンのハッピークリスマスを聴いていた。


俺が教えてあげたからなのか、かなり上達していた。


来年の文化祭では、体育館でライブをするんだとソラと話してたっけ!


メンバー集まっているんだろうか!?


「ソナ、だいぶ上達したね!

今、オリジナルは何曲くらいのレパートリーが有るの?」


『え~っと、10曲くらいかな!』


「メンバー揃ったのかい!?」


『やっと揃ったけど…半分初心者なんだよねぇ。』


「来年の文化祭まで、まだ充分時間あるから頑張ってな!」


『うん!』


「ハイこれ!

クリスマスプレゼント。」


『ありがとう。

開けて良いかな?』


「どうぞ。」


『凄い!素敵!

気に入ったわ!』


「今年は、ちょっと奮発したから、気に入ってもらって、俺も嬉しいよ。」


『私の誕生石のアクアマリン、嬉しいよ。
指輪とピアスとネックレスのセットになってる。』


「アクアマリンには、幸せな結婚へと導いてくれる力があるとされているんだ。

だから、それを付けていたら、いつかはソナのお袋さんも賛成してくれるかなぁ!?なんて思って買ったんだ。」


『オンマ(ママ)は、未だに反対してるもんなぁ。

アッ!

オンマ、正月に帰って来るって連絡合ったよ。』


「え~!?マジで!」


『アッパ(パパ)は喜んでいたけど、私はちょっとガッカリ。


正月は、カウントダウンライブが終わったら、一緒に初詣に行ってから、家に招待したかったのになぁー。』


叔母様がいなければ、挨拶に行けるんだけどなぁ。


何で反対してるのかも言ってくれないし、頭ごなしに反対してるから、話も出来ないし……。


『ハイこれは私からのクリスマスプレゼントだよ!』


「サンキュー。

開けるよ!」


『どうぞ。』


「おぉ、手編みのマフラーとニット帽じゃん。

上手に作ったな!」


『オッパが忙しくて、なかなか一緒に過ごせなかったから、その間一生懸命に練習して編んだんだよ。

使ってね!』


嬉しいよ。ソナ!



 
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