CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
やたらと馴れ馴れしいDJ-Cは、ニヤニヤしながらDJボックスに戻って行った。
あんなチャラい男が芸能界に入って来たら、新星MUSICの面汚しである。
なんかトラブルでも起こしそうな雰囲気である。
その上、ソナにちょっかい掛けやがって、ソナには絶対に近付けない様にしなきゃな!
そこへ
『こんばんは!』
「アッ、ミリちゃん!
テジュンも。
やっぱ来たね!」
『まぁな!
唯で飲み食い出来て、クリスマス気分も味わえるって言うんだから、来なきゃ損でしょう!
ケントは、ヒカルちゃんの家庭教師遣ってるから、来れないんだって。
来年の入試に向けてラストスパートに入ってるよ。
ジョージは、ナナちゃんとこっちに来たいって言ってたけど、ナナちゃんの両親に気に入られて、ナナちゃんファミリーと一緒にクリスマスパーティー遣ってるから。
KYUは?』
「昼間は、俺の実家に居て、オモニ(お袋)の作った料理でプチクリスマスパーティーをやったらしいけど、夕方から取材が1件と収録が1件合って、今はヒマワリTVで頑張ってると思うよ。
何でも、音楽対談みたいな番組にゲスト出演が決まって、その収録が今日らしいよ!」
『それって、ミュージック・11(イレブン)の事?』
「そうそう、そんなタイトルだった。」
『凄いなぁ。KYUは!
あの大御所の栗田栄祐と一緒に音楽トークができるなんて。』
「J-POPの神様って言われてる人だかんなぁ。」
『泰君(テジュンの事)、ハイこれ、ノンアルコールのシャンパンだよ!』
って、ミリちゃん!
両手に沢山の料理を持って来て、食べられるのかよ!?
「凄い量だなぁ!
食べきれるの!?」
『楽勝よ!
お腹ペコペコなんだから。』
「ソナ、何か食うか?
洋食、和食、韓国料理と色々あるぜ。」
『韓国料理が良い。』
「わかった。
取ってきてあげるから、ここで待ってな!
ウロウロしてたら、またアイツがちょっかい掛けてくるかもしれないからな!」
『何か合ったの?』
「あぁ、あそこのDJがソナにつきまって来やがったんだ。」
『DJ-Cか!
アイツには気をつけた方が良いな!
女癖が悪いって有名だから。
アイツの親父、俺のアボジ(親父)んとこの会社で働いているんだぜ。』