CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
7.A Royalty
《チャンス》
年が開けて、今日は1月7日。
アボジ(親父)から、待ちに待った印税の話があった。
『チャンス、お前の印税の金額が提示されて来たぞ。』
「初めての印税なんで、嬉しいのですが、ややこしくて、一体いくら貰えるのか検討もつきません。」
『そうだよな。
一応、算出方法が有るんだけど、知りたいか!?』
「ハイ。
いずれは、私もこの業界でやっていきたいと考えてますから、教えて下さい。」
『まずは、この紙を見ながら聞いてくれ。
印税と言うのは、歌唱印税、作詞印税、作曲印税の3つに分かれているのは知ってるよな。
それらは、どれも6%貰えるのだよ!
例えば、700円のシングルCDに2曲入っていたら、1曲は350円だけど、1曲は必ず5分間以内でのカウントになる。
例えば、1曲が10分有れば、それは2曲分としてカウントするんだよ!
それから、作曲・作詞・歌唱で3等分されるんだ。
その金額に、出荷枚数の80%がかけられるんだ。
残りの20%は、売れ残りとみなされて、マイナスとなるんだが、ここまでは分かるな。』
「ハイ。良く分かります。」
『それから、音楽著作権協会って知ってるよな。』
「JASRACですよね!」
『そうだ。
そのJASRACに7%持って行かれるんだ。』
「7%もですか!?
印税が減ってしまうじゃん。」
『その代わり、俺達の曲を守ってくれる為の保険だと思えば、安いもんだろ。
勝手に、曲を使われたりしないように、管理してくれているんだから。』
「そうですね。」