CHANCE 1 (前編) =YOUTH=
チャンスはレストランをやるって言ってたのに、音響設備や照明設備も必要って言って、どんな店をやるつもりだよ。
まぁ、オープンの日を楽しみにするか!
~♪~♪~♪~♪~
アボジ(親父)の奴、休憩室も照明設備もタダにしてくれるんなら、音響設備もタダにしてくれれば良いのに。
変なところで、変なこだわり持ってるから遣りづらいったらないよ。
でもまぁ、1万円なら良いかな!
それから半月後、水道、電気、ガスの設備は整い、ステージと厨房も完成した。
客席には、女性客が喜んでくれる様な、オシャレなベンチシートとテーブルを用意した。
これは、カオルの叔父さんの働く●丸から安く購入出来たのだ。ステージを見やすい様に配置していき、それを業者の人が床に固定していった。
ステージのソデには、ちょっとした部屋を作り、そこから登場したり、はけていっりするのだ。
衣装もそこで着替えられる様になっているのだ。
2月に入って俺達は、業者のトラックに乗って、新星MUSICまで照明設備を取りに出向いた。
良いのをチョイスして軽トラに積んでいった。
それを本郷スタジオに、持って帰って、早速取り付け工事が始まった。
その日の午後は、15時から面接である。
この本郷スタジオのお店を任せられるマネージャーの募集をしていたのだ。
経営に興味のある、大卒の男性って言うのが、募集の条件である。
集まって来たのは、W大卒の23才の男性と、K大卒の24才の男性の2人だけだった。
W大卒の男性から、面接である。
「ようこそ!
私が、ここの代表になる高山です。
履歴書は持ってきましたか!?」
『ハイ。』
「名前は、石田直幸さんですね。W大卒ですか!
志望の動機を聞かせて下さい。」
『去年の3月に大学を卒業して、広告代理店で勤務していました。
でも、遣っていて、常に空しさを感じていました。
達成感もありませんでした。
転職を考えて求人情報を見て、目に飛び込んで来たのが、経営に興味のある人って言う文面でした。
私の力を試してみたいと思いここを志望しました。』
「私の方が3才も年下ですが、そんな年下の経営者の下でも構わないんですか!?
年下に、こきつかわれるのって、屈辱的とかって思いませんか?」